今日がこの先の未来より

主にニチアサ・ハロプロ関連でTLに流せない長文を垂れ流します

ドリームステージ(ネタバレあり)

 ステージ上にいた彼女たちは、子どもたちにとって紛れもなくプリキュアたちだった。そして、子どもたちはプリキュアたちが大好きだった。それが感じられただけでも、ドリームステージは何にも代えがたい輝きに満ちていた。

 

 開演前、私の隣には3人の女の子が座っていた。
「今プリキュア何してるんだろ」
「着替えてるんじゃない?」
「お菓子作りしてるんだよ」
こんな会話をしながら。

――彼女たちが楽しみに待っているのは“プリキュア”で、そのプリキュアが大好きなんだ。そう感じ、心が洗われるようだった。
 ショーが始まってからは、プリキュアたちが呼び掛ければ子どもたちはそれに応じるし、プリキュアたちがピンチの時に子どもたちは精一杯のエールを送る。目の前にいるのは正真正銘のプリキュアだから。

 そして、お姉さんやプリキュアたちの合図を待たず、子どもたちは思い思いのタイミングでプリキュアに声をかける。特に、プリキュアがピンチに陥ったとき。ほんの少しでもプリキュアがよろめけば、呻き声をあげれば、子どもたちは「頑張れ」と叫ぶ。大好きなプリキュアが負けてしまう、大好きなプリキュアを応援したい、そんな子どもたちの必死さが伝わってきた。子どもたちのプリキュアへの「大好き」がひしひしと伝わってきた。映画のミラクルライトを振る子どもたちからも同様の思いは伝わってくるが、会場一杯に響き渡る応援の声は、今まで私が見たことのない規模であった。

 

 一方で、お姉さんやプリキュアたちは、そんな子どもたちの声に「ありがとう」と告げたり、子どもたちの声をきっかけに立ち上がったりする。野暮な話だが、このショーには台本があり、プリキュアたちの言葉は事前にキャストの方がその台本通りに吹き込んだものである。ただその台本は、子どもたちのコール・レスポンスがあることを前提として作られているのだ。そしてそのコール・レスポンスは、子どもたちの「プリキュアたちを大好きである」という思いから来ている。つまりこのショーの台本は、「プリキュアたちを大好きな子どもたちがプリキュアにコールやレスポンスを送ってくれる」ことを信じて作られているのだ。

 

 子どもたちはプリキュアたちが大好きで、このショーに携わる大人たちは子どもたちの「大好き」を信頼している。あのショーの空間には、子どもたちのプリキュアが大好きだというキラキラルと、大人たちの子どもたちへの信頼というキラキラルが溢れていた。そのことが、ただひたすらに尊かった。

 

↓以下ネタバレになります(反転)

 

 

 

 

 特に印象的だったのは、MCのお姉さんが「プリキュアを応援しよう」と煽る以前にキュアパルフェが「みんなの思いが伝わってきた」と述べた場面だ。お姉さんが煽る以前に子どもたちが声を上げた結果、キュアパルフェパルフェの「思い」という台詞は「口に出したプリキュアへの応援」という意味を持ったように思えた。偶然か必然か、子どもたちがこの時点(お姉さんが煽る前)で声を上げることによって、キュアパルフェの台詞の意味は少し変わるのだ。もしこれが「お姉さんが煽る前から子どもたちはプリキュアを声を上げて応援するだろう」という関係者の信頼によって成り立っていたとすれば、脱帽だ。

 

 さらに子どもたちのキラキラルは、現行の『キラキラ☆プリキュアアラモード』にのみ向けられていたわけではない。『Go!プリンセスプリキュア』が現れたとき、『魔法つかいプリキュア!』が現れたとき、子どもたちから歓声が上がった。「夢は未来への道」や「魔法アラ・ドーモ!」を、子どもたちはプリキュアたちと一緒に踊っていた。子どもたちにとっては、彼女たちも「大好きなプリキュア」であるということだ。子どもたちは去年も一昨年もプリキュアを見ていたのだろうか。その時の「大好き」を、今も失っていないのだろうか。そう考えたとき、目頭が熱くなった。
 そして、二作品のプリキュアの登場がこのショーのサプライズであったということも、「子どもたちが『Go!プリンセスプリキュア』と『魔法つかいプリキュア!』を大好きである」という信頼がを前提としていたと思う。サプライズは成功した。子どもたちはGo!プリンセスプリキュア魔法つかいプリキュア!も大好きだったから。
 『Go!プリンセスプリキュア』と『魔法つかいプリキュア!』においても、子どもたちの「大好き」とそれを信じる大人たちの熱い思いが存在していたのだ。

 

 

 

 

↑ネタバレはここまでになります

 

 ドリームステージは、プリキュアショーは、「プリキュアたちの物語とダンスのショー」ではなく、「プリキュアたちと子どもたちが紡ぐ空間」であると確信した。あの尊い空間を用意してくれたドリームステージに、心から感謝を述べたい。